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エンゲル係数とは?2025年は44年ぶり高水準、家計見直しの目安を解説

2026-05-04

個人の体験・学習メモです。特定の金融商品の購入・契約をすすめるものではありません。投資にはリスクがあり、ご自身で十分に情報収集・判断してください。

エンゲル係数とは

エンゲル係数は、家計の消費支出に占める食費の割合です。

エンゲル係数(%)= 食費 ÷ 消費支出 × 100

1857年にドイツの統計学者エルンスト・エンゲルが提唱しました。ベルギーの労働者世帯の調査から、「収入が低いほど食費の割合が高い」という法則を発見しました。

これがエンゲルの法則です。エンゲル係数が高いほど家計における食費の負担が大きく、一般的には家計の余裕をみる目安の一つとされます。ただし、世帯構成や食生活によって解釈は変わります。

日本のエンゲル係数の推移

1980年代〜2000年代:低下期

日本のエンゲル係数は、所得の増加や消費の多様化を背景に長期的に低下してきました。1980年は約29%でしたが、2005年には約23%まで下がりました(系列により微差あり)。

2010年代半ば〜:上昇傾向へ

2005年ごろを底に緩やかな上昇基調となり、2014年の消費税引き上げ(5%→8%)と前後して上昇が目立つようになりました。2020年以降はコロナ禍による食生活の変化や食料価格の上昇も重なり、上昇傾向が続いています。

2025年:44年ぶりの高水準

総務省の家計調査によると、2025年の2人以上世帯のエンゲル係数は**28.6%**に達しました。1981年(28.8%)以来、44年ぶりの高水準です。なお、以下の数値は2人以上世帯・年平均です。単身世帯とは水準が異なります。

年 エンゲル係数 備考
1980 29.0%
1990 25.1%
2000 23.5%
2005 22.9% 掲載期間内の低い水準
2014 24.3% 消費税8%へ
2019 25.7% 消費税10%へ
2021 26.2% コロナ禍
2023 27.8% 食料価格高騰
2024 28.3%
2025 28.6% 44年ぶりの高水準

※長期推移は、統計系列の変更により時期によって対象が異なる場合があります。ここでは大まかな流れを示すための参考値として掲載しています。

なぜ上がっているのか

エンゲル係数が上がるのは、主に2つの理由があります。

1. 食料価格の上昇

2025年平均の消費者物価指数では、「食料」は前年比+6.8%上昇しました。これは総合の物価上昇(+3.2%)を大きく上回ります。円安・国際価格高騰・異常気象が重なり、スーパーの値札を見て値上がりを実感する機会が増えたのではないでしょうか。

2. 家計余力の圧迫

名目賃金は上がっていても、食料を含む物価上昇の実感が強いと、家計には余裕が生まれにくくなります。食費は削りにくい「生活必需品」なので、娯楽・教育などの他の消費や、貯蓄に回す余裕が圧迫されやすくなります。

上昇の影響は低所得層ほど大きい

所得階級別のデータを見ると、差が顕著です。

所得層 年間収入 エンゲル係数
最高所得層 1,554万円 24.1%
最低所得層 221万円 34.4%

最低所得層のエンゲル係数は、最高所得層より10ポイント以上高くなっています。食料価格の上昇は、低所得層ほど家計を直撃します。

自分のエンゲル係数を計算してみよう

エンゲル係数は、自分の家計を見直す道具として使えます。計算は簡単です。

自分のエンゲル係数 = 1ヶ月の食費 ÷ 1ヶ月の消費支出 × 100

計算のコツ

  • 食費には、食材費+外食費の両方を含めます
  • 消費支出は、収入ではなく「実際に使った金額」です(貯蓄・投資は含めません)
  • 家賃は消費支出に含めます。ただし住宅ローンの元本返済は、家計調査上の消費支出とは扱いが異なるため注意してください

目安

全国平均との比較用のラフな目安で、家計の良し悪しを判定するものではありません。世帯人数、子どもの有無、年齢構成によっても目安は変わります。

エンゲル係数 大まかな目安
20%未満 食費割合は低め
20〜25% 標準的
25〜30% やや高い
30%以上 食費の負担が大きい

ただし、この目安は絶対ではありません。次で説明します。

エンゲル係数が高い=悪い、ではない

エンゲル係数は「生活水準が低いほど高い」という指標ですが、高いからといって必ずしも問題とは限りません。

外食文化の影響

都市部では外食や中食の利用状況、世帯構成、住居費などの違いによって、エンゲル係数の出方が変わります。2025年の都道府県庁所在市別・二人以上世帯のデータでも、**大阪市32.2%に対して水戸市26.1%**と、都市による差が大きいです。外食が多い地域では係数が高く出やすく、必ずしも「食費が高い=困窮」とは限りません。

食への投資という考え方

「良い食材にお金をかける」「おいしいものを食べることを大切にする」という価値観なら、エンゲル係数が高くても家計が苦しいとは限りません。食を暮らしの中心に置く選択もあります。

大事なのは、**「知らないうちに食費が膨らんでいるのか」「意図的に食にお金をかけているのか」**の違いを見分けることです。

似た考え方:教育費を見る「エンジェル係数」

エンゲル係数の考え方を教育費にあてはめたものがエンジェル係数です。

エンジェル係数(%)= 教育費 ÷ 消費支出 × 100

食費ならぬ教育費の割合を示す考え方で、子育て世帯の家計負担を眺める目安になります。

まとめ:家計を見直すきっかけとして使う

エンゲル係数は、家計の支出バランスを眺めるための、ひとつの目安です。数字そのものよりも、推移を見ることと自分の家計にあてはめることに意味があります。

  • 食費の割合が年々上がっているなら、値上がりの影響を受けている可能性がある
  • 自分のエンゲル係数を計算してみると、思いがけない支出に気づける
  • 高い・低いだけでなく、「なぜ高いのか」を考えることが大事

44年ぶりの高水準というニュースの裏には、日本の家計が置かれている現実があります。食料価格の上昇に加え、世帯構成や生活スタイルの変化も反映されています。まずは自分の数字を知ることから始めてみませんか。

参照・出典

  • 家計調査報告 2025年平均(総務省統計局)
  • 家計調査報告 2023年平均(総務省統計局)
  • 消費者物価指数 2025年平均(総務省統計局)
  • 第183回 2024年のエンゲル係数は28.3%(日本生命)
  • 上昇が続くエンゲル係数 ~食料価格の上昇が押し上げ要因に~(第一生命経済研究所)
  • エンゲル係数上昇の要因分解(第一生命経済研究所)
  • 1分解説 エンゲル係数とは?(第一生命経済研究所)
  • 25年消費支出「エンゲル係数」は28.6% 44年ぶりの高水準(毎日新聞)
  • エンゲル係数(Wikipedia)
  • 家計
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