家計
エンゲル係数とは?2025年は44年ぶり高水準、家計見直しの目安を解説
個人の体験・学習メモです。特定の金融商品の購入・契約をすすめるものではありません。投資にはリスクがあり、ご自身で十分に情報収集・判断してください。
エンゲル係数とは
エンゲル係数は、家計の消費支出に占める食費の割合です。
エンゲル係数(%)= 食費 ÷ 消費支出 × 100
1857年にドイツの統計学者エルンスト・エンゲルが提唱しました。ベルギーの労働者世帯の調査から、「収入が低いほど食費の割合が高い」という法則を発見しました。
これがエンゲルの法則です。エンゲル係数が高いほど家計における食費の負担が大きく、一般的には家計の余裕をみる目安の一つとされます。ただし、世帯構成や食生活によって解釈は変わります。
日本のエンゲル係数の推移
1980年代〜2000年代:低下期
日本のエンゲル係数は、所得の増加や消費の多様化を背景に長期的に低下してきました。1980年は約29%でしたが、2005年には約23%まで下がりました(系列により微差あり)。
2010年代半ば〜:上昇傾向へ
2005年ごろを底に緩やかな上昇基調となり、2014年の消費税引き上げ(5%→8%)と前後して上昇が目立つようになりました。2020年以降はコロナ禍による食生活の変化や食料価格の上昇も重なり、上昇傾向が続いています。
2025年:44年ぶりの高水準
総務省の家計調査によると、2025年の2人以上世帯のエンゲル係数は**28.6%**に達しました。1981年(28.8%)以来、44年ぶりの高水準です。なお、以下の数値は2人以上世帯・年平均です。単身世帯とは水準が異なります。
| 年 | エンゲル係数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1980 | 29.0% | |
| 1990 | 25.1% | |
| 2000 | 23.5% | |
| 2005 | 22.9% | 掲載期間内の低い水準 |
| 2014 | 24.3% | 消費税8%へ |
| 2019 | 25.7% | 消費税10%へ |
| 2021 | 26.2% | コロナ禍 |
| 2023 | 27.8% | 食料価格高騰 |
| 2024 | 28.3% | |
| 2025 | 28.6% | 44年ぶりの高水準 |
※長期推移は、統計系列の変更により時期によって対象が異なる場合があります。ここでは大まかな流れを示すための参考値として掲載しています。
なぜ上がっているのか
エンゲル係数が上がるのは、主に2つの理由があります。
1. 食料価格の上昇
2025年平均の消費者物価指数では、「食料」は前年比+6.8%上昇しました。これは総合の物価上昇(+3.2%)を大きく上回ります。円安・国際価格高騰・異常気象が重なり、スーパーの値札を見て値上がりを実感する機会が増えたのではないでしょうか。
2. 家計余力の圧迫
名目賃金は上がっていても、食料を含む物価上昇の実感が強いと、家計には余裕が生まれにくくなります。食費は削りにくい「生活必需品」なので、娯楽・教育などの他の消費や、貯蓄に回す余裕が圧迫されやすくなります。
上昇の影響は低所得層ほど大きい
所得階級別のデータを見ると、差が顕著です。
| 所得層 | 年間収入 | エンゲル係数 |
|---|---|---|
| 最高所得層 | 1,554万円 | 24.1% |
| 最低所得層 | 221万円 | 34.4% |
最低所得層のエンゲル係数は、最高所得層より10ポイント以上高くなっています。食料価格の上昇は、低所得層ほど家計を直撃します。